【解説】大殿筋を知れば、姿勢も不調も改善できる!〜その機能・役割・鍛え方〜

こんにちは!今回は、ヒップアップや姿勢改善のカギを握る筋肉——「大殿筋(だいでんきん)」について、少しマニアックに深掘りしてみたいと思います。

◆ 大殿筋ってどこにある筋肉?

大殿筋は、いわゆる“お尻の筋肉”であり、筆者の主観ではありますが人間の身体の中でも最もの重要な筋肉の一つです。
この筋肉は以下の部位からスタートし(起始)、太ももの骨や靭帯に付着します(停止)。

  • 起始:上後腸骨棘(PSIS)、仙骨下部1/3、尾骨
  • 停止
     ・上部繊維 → 腸脛靭帯を介して脛骨外側顆へ
     ・下部繊維 → 殿筋粗面(大腿骨後面)へ

◆ 大殿筋の働きは?上部と下部で違う!

  • 上部繊維:股関節の外転外旋
  • 下部繊維:股関節の外旋伸展
     ※股関節が30度以上外転しているときは「内転」作用も加わります。

◆ 実は“内旋”の作用もある?

あまり知られていませんが、大殿筋は大腿筋膜張筋との筋連結の関係により、わずかに内旋作用も持っています。
つまり、内股の人はこの筋肉の柔軟性不足が影響していることが多く、リリースしてあげるとアライメントの修正の助けになります。


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◆ 大殿筋を鍛えるなら「スクワット」が効果的!

大殿筋の伸展作用は、股関節が屈曲位(曲がっている状態)から伸びていく0度付近で最も強く発揮されます。
つまり、しゃがんだところから立ち上がるような動作が大殿筋の本領発揮!

スクワットはまさにこの動きにぴったりなエクササイズですね。


◆ 大殿筋は「筋連結の王様」

大殿筋は非常に多くの筋肉と“筋膜”でつながっており、全身に影響を及ぼします。

連結している筋肉たち:

  • 腸脛靭帯
  • 中殿筋
  • 多裂筋
  • 内転筋群
  • 広背筋(→ 胸腰筋膜を介して)

このように、大殿筋は姿勢や動作の中心にある筋肉です。実際に、立位のときの重心(第二〜第三仙椎と前面軸を結んだライン)にも非常に近く、その影響力は絶大です。

→ 骨盤の後傾に関わる筋肉

  1. 腹直筋
  2. ハムストリングス
  3. 大殿筋

つまり、腹直筋やハムストリングスと比べると後傾作用はそこまで強くありませんが、ここが硬くなると姿勢不良や腰痛の原因にも…。


◆ 例:左の大殿筋が固くなるとどうなる?

たとえば、左側の大殿筋が拘縮すると…

  • 仙骨が左にズレて仙腸関節痛の原因に
  • 腰が痛いと訴える人が、仙腸関節付近を触っていることが多い
  • 左のヤコビー線(腰のライン)が上がり、胸腰筋膜を通じて右の肩が下がる
  • 結果:姿勢のバランスが崩れる

→この場合、左大殿筋のリリースが有効!


◆ 大殿筋と大内転筋の関係:屈曲角度に注目!

股関節の屈曲角度によって、主に使われる筋肉が変わります。

  • 股関節屈曲 〜60度まで:大殿筋が伸展筋として活躍
  • 屈曲60度を超えると:大内転筋が主役に

つまり、角度に応じたトレーニング選びが重要ということです。



まとめ

大殿筋は単なる“お尻の筋肉”ではなく、姿勢・運動・全身の連動性に深く関わる重要な筋肉です。
柔軟性・筋力・連動性を意識したケア&トレーニングで、腰痛改善やスタイルアップ、運動パフォーマンスの向上に大きく貢献します。

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