― 重量が止まるのは才能ではなく「刺激設計」の問題 ―
筋トレを始めた頃は、
ベンチプレスを10回3セットやっているだけで、
重量は自然と伸びていきます。
動画や雑誌、SNSでも
「まずは10回3セット」と言われることが多く、
実際それで成果が出た人も多いはずです。
しかし、ある時からこう感じ始めます。
- 回数はできているのに重量が増えない
- むしろ前より重く感じる
- 無理に上げると肩や肘が痛い
これはよくある現象で、
あなたの努力が足りないわけでも、才能がないわけでもありません。
なぜ10回3セットで止まるのか
10回3セットは、
筋肥大・フォーム習得・回復のバランスが非常に良く、
初心者に取り組みやすい方法です。
ただし、体が慣れてくると話が変わります。
中級者に近づくにつれ、
- 同じ重量
- 同じ回数
- 同じ疲労
では、
筋肉も神経も「もう学ぶことがない」状態になります。
ここで起きているのは、
筋力の限界ではなく、刺激の限界です。
中級者以降に必要なのは「重さを扱う練習」
重量を伸ばすには、
筋肉を大きくするだけでなく、
- 重い重量を安全だと脳に学習させる
- 高重量時の動員パターンを洗練させる
- それを疲労で壊さない
この3つが必要になります。
10回3セットは「筋肉」には効きますが、
「重さに慣れる神経の練習」としては弱くなってくる。
そこでおすすめなのが、
重量を少しずつ上げ、回数を少しずつ下げていく方法です。
おすすめのシンプルな6週間ルーティーン
例として、
現在「100kgで8回前後できる人」を想定します。
1週目
100kg × 8回
2週目
102.5kg × 7回
3週目
105kg × 6回
4週目
107.5kg × 5回
ここまで来たら、
5週目(ディロード)
90kg × 5回程度
一度、意図的に負荷を落とします。
なぜこの方法で伸びやすくなるのか
① 強度は上がるが、疲労は増えすぎない
重量は週ごとに上がりますが、
回数が減るため、総ボリュームは自然に抑えられます。
つまり、
神経への刺激は強く、神経疲労は溜まりにくい。
10回3セットで起きがちな
「ずっと疲れているのに、重さが変わらない」
という状態を避けられます。
② レップレンジが非常に現実的
5〜8回という回数は、
- 筋肥大にも十分有効
- かつ、高重量に必要な神経刺激も入る
筋肥大と筋力向上が重なるゾーンです。
「大きくなったけど重さが伸びない」
「重さを追って怪我をした」
そのどちらも起きにくい、
長く続けやすいレンジです。
③ ディロードが「次の成長」を作る
5週目に負荷を落とすことで、
- 神経疲労が抜ける
- 関節や腱が回復する
- フォームの再現性が戻る
これは休みではなく、
次の重量を伸ばすための準備期間。
そして次のサイクルでは、
- 前回:100kg × 8回
→ 今回:102.5kg × 8回
というように、
スタート地点そのものが底上げされます。
この方法が怪我をしにくい理由
このルーティーンは、
- 毎週MAXを触らない
- レップ数が自然に減る
- 定期的に負荷を落とす
という構造になっています。
筋肉より回復の遅い
関節や腱を守りながら、
強くなるスピードと壊れないスピードを揃える設計です。
まとめ
10回3セットで伸びなくなったのは、
トレーニングが間違っていたからではありません。
体がその刺激を学び切っただけです。
重量を伸ばしたいなら、
- 重さに慣れる時間
- 疲労を抜く時間
この2つをトレーニング計画の中に組み込む必要があります。
シンプルですが、
長く、安全に、確実に伸ばしやすい方法です。


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